【初心者必見】FXとは?メリットやリスクまで分かりやすく紹介

FX

最近、FXが再びブームになりつつあります。

そこでこの記事では、FXの意味からツールまで、関連知識を幅広くご紹介します。安定した運用に向けて、メリット・デメリット、リスクについても確認していきましょう。

FXの基礎知識

FX(英語:Foreign Exchange)は、本来は外国為替取引を意味する言葉です。

最近では「外国為替証拠金取引」のことを指します。FXで重要となるのが、為替レートです。

為替レートとは、異なる国の通貨が交換される際の取引価格(交換比率)のことを指します。

ニュースや新聞で「今日の××は、前日比で〇円△銭の円安ドル高でした」などと見聞きしますよね。世界には円やドルをはじめとする様々な為替相場があり、為替レートは日々変動しています。

FXは、通貨を売買する際に発生する為替差益(為替レートの変動で生じた損益)により利益を狙う取引です。

FXの優れている点

まずは、FXの優れている点についてご説明していきます。

1.少ない資金でも大きな金額の取引ができる

FXには「レバレッジ」という仕組みがあります。

レバレッジとは、証拠金(自己資金)を担保にして自己資金以上の取引をする制度のことです。日本での取引は、個人の場合は最大で証拠金の25倍までとされています。海外のFX業者では、証拠金の数百倍まで取引が可能なところもあります。

FXの魅力の一つは、少額の資金で何倍ものお金を動かせることです。

自己資金の何倍にもなる大きな金額を運用できるため、成功すればハイリターンを得ることができます。

株式の購入には「単元(たんもと)」とよばれる、最低限購入が必要な株数が存在します。日本株式の多くでは1単元を100株としていますので、優良株を購入するには数十万円以上が必要となることもあります。

2.手数料や取引コストが安い

FXにかかる取引手数料は、ほとんどの会社で無料となっています。株の購入時手数料や、投資信託の運用管理費用などにコストがかからないのは、大きな魅力ですよね。

ただし、FXでは手数料代わりの役割をもつ「スプレッド」が存在します。スプレッドとは、通貨を売るときの価格(BID)と、通貨を買うときの価格(ASK)の差のことです。

為替レートにスプレッドとして差をつけることで、FX会社は利益を出しているのです。スプレッドは、米ドル/円でも0.2銭ほどです。海外旅行での外貨両替に必要なのはおよそ25銭ですから、比較するとかなり安いですよね。

このように、FXはコストを抑えながら取引を行うことができます。

3.取引可能時間が長い

日本株式は、売買できる時間が平日の9時から15時までと決まっています。平日のこの時間は、会社などで働いている方も多いことでしょう。

そんな中、自分自身で日本株式チャートをリアルタイムで確認し、売り買いするのは困難なことです。

FXは、平日であれば24時間いつでも取引が可能です。仕事終わりの時間帯にチャートを確認し、取引することもできますね。

FX市場が最も活発になるのは、アメリカやイギリスの参加者が多くなる時間帯です。日本時間では夕方から深夜にかけてですから、FXは副業でも取り組みやすい取引と言えます。

4.為替レートが下がる時も利益を出せる

投資信託では、相場が上がっている場合しか利益を狙えません。FXでは、補償金を担保として、実際には持っていない通貨であっても新規の売り注文から取引を開始できます。

「先に高く売ってから安く買う」ということが可能ですから、相場が下がっている場合にも利益獲得のチャンスが多いのです。

5.スワップポイントがつく

スワップポイントとは、通貨の金利差のことを指します。

日本円のような低金利通貨を売って金利の高い通貨を買うと、その金利差を受け取ることができます。金額は大きくないものの、スワップポイントはほぼ毎日付与されます。

そのため、長期投資の手段として活用することもできます。

<注意事項>

スワップポイントには、いくつかの注意事項が存在します。

  1. 必ずしも利益を得られるわけではない
    高金利通貨を売って低金利通貨を買った場合には、その金利差を支払う必要があります。
  2. スワップポイントは課税対象
    個人口座の場合、スワップポイントで得た利益は受け取りのタイミングで課税対象となります。つまり、実際に付与される前に課税対象となってしまうことに注意が必要です。
  3. 高金利通貨における為替変動のリスク
    高金利通貨は新興国に多く、先進国の通貨と比較すると急な為替変動のリスクが高くなっています。

FXのリスク

FXにはメリットがある一方で、いくつかのリスクも存在します。

ここからは、FXをするにあたってのリスクに関して、詳しく説明していきます。

1.レバレッジで大損する可能性がある

レバレッジは、成功すれば少額でも大きな利益を期待できるものです。しかし、失敗した時には大きな損失を出す可能性があるのです。

大きな損失となる場合を説明します。

1ドル100円、自己資金100,000円で10,000ドルの取引をすると、10倍のレバレッジで取引したことになります。

これが1ドル90円に変動した場合、損益が-10円、10,000ドル分出ます。

-10円×10,000ドル=-100,000円

となり、自己資金が0円となってしまうのです。

FXは少しの相場の変化でロスカットになってしまうため、大損しやすい特徴があります。

時には元本以上に損失が出る恐れもありますので、注意が必要です。

2.強制ロスカットで予期せぬ損失となることもある

強制ロスカットとは、FX業者の証拠金維持率を下回った時に、損失拡大を防ぐために保有ボジション(通貨を「買っている」または「売っている」状態)を強制的に決済されることです。

総資産が必要証拠金の何倍にあたるか示す値のことで、次の式で計算されます。

証拠金維持率=有効証拠金(総資産)÷ 必要証拠金 × 100 

ロスカットは、投資家の損失を最小限とするために設けられているものです。

自分のルールによる損切りであれば、含み損を抱えた状態で決済を行うことができます。

しかし、強制ロスカットが執行された場合には、自分の意思に反して大きな損失が確定してしまうのです。

3.追加証拠金が発生する場合がある

追加証拠金(追証)とは、取引終了時点で証拠金維持率が一定水準を下回った場合に求められる金額のことです。

相場の変動により証拠金維持率が上がったとしても、一度発生した追証が自然に減少・解消することはありません。追証が発生した場合には、期日までに追加証拠金以上を入金するか、ポジション決済をすることが必要となります。

追加証拠金がある場合、新規注文ができないなどの制約が生じます。

また、期日までに追証が解消されない場合には、FX会社によって強制決済が行われ、不足金に充当されてしまうのです。

4.為替レートが読みにくい

株式投資は、その企業の業績やIRなどが相場に大きく影響します。

一方で、FXの価格変動要因はとても複雑です。各国の金融政策や経済状況などが関係してくるため、値動きを読むのが難しいとされています。相場の急変動が起こった場合、短時間で大きな損失が出ることもあります。

FXの利確・損失時の税金ポイント 

FXの利益は雑所得に分類され、課税対象となります。

続いては、FXにかかる税金について解説していきます。

1.納税義務が発生するタイミング

個人の場合、未決済のポジションおよびそのスワップポイントの評価益(含み益)は課税対象外です。

為替差益やスワップポイント益が確定したタイミングで課税対象になります。

1月1日〜12月31日の利益から、必要経費を除いた金額が課税対象額です。

2.国内FXと海外FXで課税方法が異なる

FX業者 課税方法 雑所得 税率
国内FX 申告分離課税 先物取引に係る雑所得等 20.315%

※2037年まで

海外FX 総合課税 その他の雑所得 住民税10%+所得税7.1%~47.1%

※2037年まで

※累進課税

国内FXで発生した利益の所得区分は「雑所得」の「先物取引に係る雑所得」に分類されます。

税区分は「申告分離課税」となり、他の分野で得た所得と分けて単独で計算する必要があります。

この場合、税率は所得税15%、地方税5%。さらに2037年までは東日本大震災における復興特別所得税(0.315%)が加わり、一律20.315%がかかります。

海外FXで生じた利益は国内FXと同様に「雑所得」ですが、「その他の雑所得」に分類されます。

税区分は「総合課税」で、他の分野で得た所得と合算した総額に対して課税されます。

この場合、住民税は一律10%です。所得税は所得に応じて高くなる「累進課税」となり、7.1%〜47.1%がかかります。この所得税率には、2037年まで復興特別所得税2.1%が含まれます。

3.損益通算の取り扱い

国内FXの場合には、他の金融商品の取引との損益の合算が可能です。

合算の対象となるのは、国内FXと同様の「申告書分離課税の先物取引に係る雑所得」に分類されるもの。

金や原油のCFD取引の損益など
国内FXで利益が発生しても、CFD取引で損失が出ている場合は国内FXの損益と通算可能

損益通算することで、国内FXのみの利益で申告するよりも課税対象額が下がり、節税対策が可能になります。

ただし、同じ雑所得に分類される所得でも「申告分離課税の先物取引に係る雑所得等」に分類されるもののみが対象となります。

こちらに分類されない所得とは損益通算できませんので、注意が必要です。

暗号資産(仮想通貨)、海外FXによる損益など

4.損失の繰越控除の取り扱い

利益がない場合には、通常は確定申告の必要はありません。

しかし、国内FXの場合には、繰越控除を受ければ、その年に発生した損失を翌年以降3年の利益と相殺することができます。

X年に50万円の損失が出た場合、翌年に30万円の利益が出ても、X年の損失50万円から相殺されて課税対象額は0円となります。
さらにその翌年に60万円の利益が出ても、X年の損失分20万円と相殺できますよね。つまり残金の40万円のみが課税対象となるのです。

この控除を受けるためには、損失が出た翌年以降も確定申告を継続する必要があります。

5.内部通算の取り扱い

海外FXの場合、総合課税の雑所得と合算することができます。

他の分野で経費があれば、海外FXで大きな経費がなくても節税になります。

仮想通貨の取引、ネットの商品販売、フリマ販売、アフィリエイト、不動産所得

FXを始める際に注意するポイント

続いては、FXを始めるにあたって注意すべきポイントを説明していきます。

1.レバレッジは低めにすること

レバレッジで元手よりも大きな利益を狙うことも可能ですが、相場の少しの変化によってロスカットが出やすい特徴があります。とくに、相場が予想と逆に動いた場合には損失も大きくなってしまいます。

取引に慣れるまでは、レバレッジをかけすぎないよう注意しましょう。

2.まずは少額から始める

相場の動きや注文などを実際に体験するためにも、まずは少額から始めるのが得策です。

一気に始めようとせず、少しずつ感覚を身につけていくことをおすすめします。

3.新興国通貨は避ける

新興国通貨を含む通貨ペアは、暴落が起こりやすい傾向にあります。

初めのうちは避けた方が無難でしょう。

4.損切りルールを決める

損失が発生した際には、人は「損を認めたくない、損をしたくない」という心理が働いてしまうものです。

損切りルールを決めないと、いつまでも損切りができず、どんどんと損失が膨らんでしまうので注意が必要です。

大きく負けない運用を意識して、トータルで見たときに勝てるようにしましょう。

5.分散投資を心がける

資産の大部分をFXで運用するのはリスクが高い行為です。

株式や投資信託などへも投資して、リスクを抑えましょう。

FXと投資信託・株取引を比較

先述の通り、分散投資をするとリスクの低減ができます。

ここからは、FX以外の資産運用方法をFXと比較して説明していきます。

FXと株取引

株取引は、資産運用の代表格です。

FX 株取引
投資対象 各国の通貨

(およそ30通貨程度が対象)

上場企業が発行する株式

(3,500社以上)

利益の出し方 ①為替差益

②スワップポイント

①売買差益

②配当金

③株主優待

最低資金目安 数千円〜 数万円〜
レバレッジ 日本国内:最大25倍

(海外業社は数百倍のところもある)

最大3.3倍
取引時間 平日24時間 日本国内:平日9時〜15時

(外国株取引を除く)

手数料 スプレッドとして設定

(米ドル/円で0.2銭など)

数十円〜数百円 ※証券社による

ネット銀行は無料もある

 

FXと投資信託

投資信託は、株式や債券、REITなどの様々な金融商品がパックになったものです。

ファンドマネージャーが運用してくれるのが特徴です。

FX 投資信託
投資対象 各国の通貨

(およそ30通貨程度が対象)

株や債券、REIT
利益の出し方 ①為替差益

②スワップポイント

①売買差益

②配当金

最低資金目安 数千円〜 数百円〜
取引時間 平日24時間 24時間注文可能

ただし、注文締切時間が設定されており、約定タイミングが変わる

手数料 スプレッドとして設定

(米ドル/円で0.2銭など)

販売手数料(申込金の数%)

信託財産留保額(基準額の0.2%程度)

運用管理費用(年率0.1%程度)

 

初心者にもおすすめのFXツール

続いては、初心者にもおすすめのFXツールをご説明していきます。

どちらも見極めが必要となるツールですので、注意しましょう。

EA

Expert Adbisorの略で、Meta TraderというFXの取引プラットフォームで利用できる自動売買ソフトです。

EAを購入してMetaTraderに組み込むことで、自分が見ていない間にも取引を行えるのが特徴です。EAはロボットなので、チャートの分析や利確、損切りまでを自動で行なってくれます。

自分の一時的な感情や期待に左右されず、一定のルールで売買できるメリットがあります。

EAは、チャートの動きを分析した上でトレードを行う手法として開発されたものです。そのため、世界経済の動きには弱いことに注意しましょう。また、利益が出るかどうかはEAの開発者次第です。EA自体のスペックを確認する必要があります。

MAM

Multi Account Managerの略です。

マスタートレーダーの取引内容をコピーして自分のFX口座で同じトレードを行う、マネージドアカウントと呼ばれるシステムです。

ユーザーの資金に応じてロット数が調整できるので、自分の資金内での対応が可能です。ユーザーに利益が発生したとき、利益額の約15〜30%を手数料として運用者へ支払う形をとっている場合と、取引量に応じて報酬が決まるアフィリエイト方式のものが存在ます。

運用が上手くいくかどうかはマスタートレーダーの腕次第です。

まとめ

FXは、少額でも大きな金額の取引が可能な取引です。

成功すれば、他の投資よりも大きな利益を狙えます。

使い方によってはハイリスク・ハイリターンとなりますので、FXのみで資産運用することは危険です。

他の投資方法を併用して分散投資を行い、リスクを抑えるのが良いでしょう。