エントロピーという言葉を聞いたことがあるでしょうか。元々は熱力学で使われる言葉ではありますが、資本主義社会にも似た現象があると考えています。
資本主義社会では常に新しいテクノロジーが生まれ世界の富を奪い合っていきます。しかも世界では人口は増え続け、資本主義社会に参入する人数も右肩上がりです。そうなればますますエントロピーは増大の方向に向かっていきます。
本記事ではエントロピーをキーワードに、日本にいるあなたがどう言った投資戦略を取るべきかについて、まとめていきたいと思います。
そもそもエントロピーとは?
エントロピーとは、「乱雑さ」や「微視的状態数」と言われる概念です。
熱力学で言えば、絶対零度(-273K)ではエントロピーは0になります。絶対零度では分子が振動しないことから状態数が1となるためです。
逆に沸騰した水が気体に変化すると、そのエントロピーは大きくなります。とりうる状態数が非常に多くなるからですね。
ちょっと物理的な話になってしまいましたが、要は無秩序な状態ではエントロピーが高く、秩序的な状態ではエントロピーは低いと言えるでしょう。
資本主義におけるエントロピーとは
経済学ではエントロピーという言葉は使わないので、ここからは私の解釈になります。
エントロピーが高い状態は無秩序な社会、株価が乱高下し、社会のルールも守られにくいというような状態です。アメリカ社会をイメージしてもらえればと思います。
逆にエントロピーが低い状態は、秩序的な社会、株価の乱高下がしにくく、社会のルールが厳格に守られる状態です。日本社会がまさにそうではないでしょうか。
エントロピーは高い方が良いか、低い方が良いか
エントロピーはあくまで乱雑さを表す概念ですので、高い方が良い、低い方が良いというものではありません。
しかし人それぞれの好みというのはあります。
簡単に説明すると、
- 乱高下する市場、競争の激しい市場で大きな利益を出したい人→エントロピーが高い
- 安定的な市場で堅実に資産を積み上げた人→エントロピーが低い
となります。日本人はおそらくエントロピーが低い方が好みなのではないでしょうか。社会全体もエントロピー低めですしね。
少なくともサラリーマンの資産形成にはエントロピーが高いのはリスクが高すぎますので、低い方が良いでしょう。
エントロピーが高い投資、低い投資
ではエントロピーが高い投資、低い投資について紹介していきます。
- FX、個別株投資、仮想通貨etc→エントロピーが高い
- 不動産、投資信託、保険etc→エントロピーが低い
となります。
サラリーマンにはエントロピーが低い、不動産、投資信託などが向いているわけですね。
エントロピーが高い投資ができる人は資産家or専門家のみ
物理学で使われる概念「エントロピー」を用いて投資について語ってきました。
エントロピーが高い投資はいわゆるハイリスクハイリターンとなっており、金銭的な余裕がある資産家か、その道のプロにしか投資は向いていません。
やはり投資が本業ではないサラリーマンには、エントロピーの低い投資が向いているでしょう。
「乱雑さ」の低い投資、一晩で億り人!みたいな大きな勝ちはできなくても、時間をかけて堅実な投資でコツコツ積み上げることで大きな資産を築くことができますからね。