特殊相対性理論に学ぶ、思い込みの難しさのお話

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1905年、かの有名なアインシュタインが発表した「特殊相対性理論」をご存知でしょうか?一般的には、相対性理論として呼ばれていますが、この相対性理論は正確には2つの種類があります。

「一般相対性理論」「特殊相対性理論」この2つの相対性理論を正しく理解すると、今まで私たちが一般的に「常識」だと思っていた事柄がいかに正しくないか、ということに気がつきます。

本記事では相対性理論を題材に、いかに我々が偏った思考の中で生きているのか、とうことに気づき、より良い未来へ進むために思い込みという枷を外す必要があると思い、執筆しています。

そもそも特殊相対性理論とは?

特殊相対性理論を使って人生を思い通りにコントロールする方法について知るためには、まず特殊相対性理論とはどんな理論なのかを知る必要があります。

特殊相対性理論は「慣性系における光速度の不変性を公理とした物理学の理論」このように説明されることが多くありますが、この理論を理解するためには、もう1つ別の理論を知っておく必要があります。

それが、光速不変の原理です。

ここから多少難しい話が始まりますので、先に結論を書くと、

光の速さで移動すると時間が動かない

という結論になります。つまり光の速さで移動することができれば未来にいけるということです。理論上はタイムマシンも作れるということですね。

光速不変の原理とは

“光の速度は一定の速度 v のロケットに乗っても地上で測っても変わらない。”

これが光速不変の原理です。この原理を成り立たせるためには「時間はどの系でも同じに進む」という、時間空間の原理原則を変えなくてはならなくなります。

この考え方を理論化したものが、アインシュタインの相対性理論です。

光速不変の原理をもう少し詳しくお話しします。

 

今あなたは時速5キロで歩行中です

この状態の時に、正面から車が時速50キロでやってきたとします。この時の体感速度はどのようになりますでしょうか?

自分の歩行速度5キロ+車の時速50キロ=時速55キロ
このように計算するのが一般的な考え方です。

 

しかし、光速になると答えが変わってきます。

秒速30万キロの高速で歩いている時に、向かいから秒速50万キロの車が来たとしても、先ほどのように合算して80万キロになりません。高速の場合は、秒速30万キロで体感速度は変わらないのです。

光速の世界では、自分が動いている・動いていないに関わらず、常に秒速30万キロの体感は変わらないということになるわけです。

アインシュタインの疑問

アインシュタインが16歳の時、この原理についてある疑問を抱いたそうです。

「自分の顔を鏡に映しながら高速で飛んだら、自分の顔は鏡に映るのか?」という疑問です。そもそも鏡に自分の姿が映るのは、光が鏡に反射して見えるからです。その自分自身が光速で動いたら、そもそも反射するのかどうかを疑問に思ったわけです。

先ほどお伝えした通り、光速だと動いていても止まっていても秒速30万キロとなるので、結果としては光速で動いていても止まっていても鏡に自分の姿は映ることになります。この光速不変の原理に対してアインシュタインが抱いた疑問を理論化して導き出したもの、それが「特殊相対性理論」です。

特殊相対性理論を実例で考えてみる

ここに止まっているロケットがあるとします。このロケットに中には、秒速30万キロで進む光時計があります。動いているロケットと比較して考えてみます。動いているロケットは、外側の視点で考えると、時間が経つにつれて前に進んでいるように見えます。

速度の公式:速度=距離÷時間

この公式で考えると、そもそも速度は動いていても止まっていても一定なので、30万㎞=距離÷時間となりなります。動いているロケットの場合、この公式に当てはめると、動いて距離が伸びる分、時間が長くなることがわかります。

このことからわかるのは、動いているロケットでは、時間の流れがゆっくりになるということです。

 

一般的な考え方では「時間は常に一定」だと考えます。ですが、現実には時間は、止まっている時と動いている時では、時間の流れる速さが違うことがわかります。

光速に近づくほどに時間はゆっくりになる

先ほどの公式からもわかる通り、光の速度に近くなればなるほど、そこに存在する時間の流れはよりゆっくりになっていきます。

自分がロケットに乗っている場合は、それ自体が光速で動いていることを感じません。ですが、ロケットの外側は恐ろしいスピードで進んでいます。そこにある速度は変わらないものの、それを見る視点、立場が変わることで、体感速度や時間の流れの感じ方が変わるのです。これを「特殊相対性理論」と呼びます。

映画や漫画などでもこうしたシーンがあると思います。例えば宇宙に数年行った後に地球に帰ってくると、自分が宇宙で過ごした月日よりももっと時間が経ってしまっていることがありますよ。これは、宇宙では光速に近づき、時間の流れがゆっくりになることが起因しているからなのです。

トイストーリーのスピンオフ映画「バズライトイヤー」や、宇宙物の名作「インターステラ」などはまさにこういった理論を取り入れた映画でしたね!

細く見えるという現象も

時間の感じ方が変わることの他にも、見え方が変わることもあります。光速に近づくことで空間の長さは縮むことになります。ですので、光速で走ることで、自分の姿は細く見えるようになります。

時間や空間は伸びたり縮んだりするものであり、それは視点によって変わります。そしてこれは、人生における物事の感じ方にも関係してきます。

私たちが自分の目で見ているものは、自分の主観によっていかように変わります。自分がどう思っているのか、どの視点で見るのかで、物事の捉え方・感じ方が変わります。このことをアインシュタインは「常識とは18歳までに身につけた偏見のコレクションだ」と表現しています。

世界は相対的なもの

相対性理論からわかるように、世の中は常に変化をしているものの、それをどう見るか、どう感じるかは自分次第です。人は思い込みを持ちながらそれを見ています。思いこみの枠の中で物事を見て、捉えているのです。

例えば、常識や価値観は時代によって変化します。10年前は良しとされていた考え方も、今の時代にはそぐわないことも多くあります。

だからこそ、こうあるべき、これが絶対、という思い込みの枠を外すことは、人生をより良い方向へと進めるための力になります。

相対性理論は、人が誰しも持つ思い込みの枠の外へと、考え方を進めるための大きなヒントになるはずです。物事の考え方、価値観、捉え方は、相対性理論のように相対的に変化していくものであることを知り、広い視野で物事を考えられるようになると、人生をより良い方向へと自分でコントロールできるようになります。ぜひ参考にしてみてください。

最後に余談ですが、今回紹介した特殊相対性理論を提唱したアインシュタインでさえも、今では常識である量子力学には懐疑的でした。「神はサイコロを降らない」というアインシュタインの言葉にもある通り、今では当たり前となっている量子力学的な思考も、晩年のアインシュタインは理解ができませんでした。

そういった意味でも、世の中に適応していくというのは誰もが自然にできることではなく、積極的に新しい考え方や常識を取り入れていく姿勢が重要だと感じますね。