賃貸経営の空室を埋めたい大家が知っておくべき空室対策4ステップ

不動産投資

不動産物件を購入して賃貸経営を始めたものの、空室が埋まらない、空室を埋めるために何をすれば効果的かがわからない、そんな悩みを抱える大家さんも少なくないと思います。

不動産投資の収入を安定させるために目指したい「満室経営」ですが、実際のところうまくいかずに悩む大家さんも多いです。私も1棟マンション、1棟アパートを保有しているものの、どうすれば満室になるのか、空室対策に悩む時期がありました。

そんな私も、どうすれば空室が埋まるのか、原因と対策がわかるようになってからは、常に90%以上の稼働率を維持できるようになりました。空室が増えた時でも、短期間で入居者を集めることもできるようになりました。

空室対策は、原因と対策を知れば難しくありません。なのでこの記事では、どのように原因を突き止め、どう対策すべきかを具体的に解説していきたいと思います。一棟アパート·マンション向けの空室対策をお話ししますので、空室に悩む人はぜひ参考にしてみてください。

多くの人がやってしまいがちな間違った空室対策とは

ネットで「空室対策」と調べると、方法はたくさん見つけることができますし、書籍などでもいわゆる空室対策ノウハウなどを学ぶこともできます。ただし実際には、多くの人が間違った空室対策をやってしまいがちです。

ありがちなのが、

  • リノベーションを施す
  • 設備投資をする

などの方法です。確かに内装を良くすること、住居の設備投資を整えることも1つの方法だと言えます。実際、ユニットバスをセパレートに改装することで入居率が上がることもあると思います。ただしこうしたやり方は、いわゆる表面的なテクニックにすぎず、本質的な空室対策とは言えません。その時々の思いつきで対策しても、同じ結果を繰り返すことになってしまうからです。

費用をかけることも1つの方法ではあるものの、理想的には費用をかけずに対策できるのが良いはずです。

正しい空室対策とは

お金をかけて表面的な対策を行うのではなく、まずは空室になる原因を突き止めるところから始めてみることです。いつも空室がある、入居してもすぐ空室になる。このような場合は、そこに何かしらの原因が存在します。

空室を生み出す原因を突き止めることなく、ただお金をかけて対策をしても、それは一時しのぎにしかなりません。原因を改善しない限り、いつまで経っても空室に悩むことになります。

空室対策において最も大切なことは、なぜ空室が発生するのか、その原因を突き止めることです。

空室の原因を突き止めるための4ステップ

空室対策は、空室になる原因を突き止めることが大事だとお話ししましたが、どのように原因を突き止めるのかがわからない人もいると思います。そこでここからは、4つのステップで空室の原因をつき止める方法をお話ししたいと思います。

ステップ1:問い合わせや内見の正確な情報を把握する

募集中の物件があれば、その物件情報へのアクセス状況、問い合わせ状況、内見情報を数値で把握するようにしましょう。管理会社や仲介業者に問い合わせする必要もあると思います。そうすることで、まずは物件への興味を把握することができます。

ステップ2:成約しなかった理由を把握する

内見したものの成約に繋がらなかった物件がある場合は、その理由を把握するようにしましょう。立地、間取り、設備、何かしら理由が見えてくれば、そこを対策することで成約率を上げることができます。

ステップ3:空室対策案を考える

ステップ2で把握した成約しない理由から、どう対策できるのかを考えてみましょう。例えば同じエリアの同じ価格帯の物件で、「他の物件はwifi完備だったから選んだ」という理由がわかれば、設備環境にお金をかけることで対策できることがわかります。

どうすれば自分の物件を選んでもらえるようになるのか、その改善策を考えてみるということです。

ステップ4:賃貸管理会社、仲介会社に相談しに行く

ステップ1から3までの過程で情報をまとめて、賃貸管理会社や仲介会社に相談しにいきましょう。中には相談に乗ってくれない場合もあると思いますし、1社の意見を聞くだけでなく、3~5社ほど相談してみるようにしましょう。

なぜ管理会社、仲介会社に相談するのかというと、お客さんの生の声を日常的に聞いているからです。自分の物件が埋まらない原因として立てた仮説が合っているのか、違うとしたらどうしたらいいのか、生のお客さんの声を踏まえて参考になるフィードバックを返してくれるはずです。

うまく進めるためのポイント

管理会社、仲介会社に相談する際のポイントは、しっかり自分で仮説を立てて、具体的に相談することです。ただ話を聞くだけや情報を引き出そうとするだけでは、相手も本気で向き合ってはくれません。自ら考え、熱を持ってそれを相談することで初めて、相手も本気で向き合ってくれます。

その過程で仲介会社には入居付をお願いするようにして、パートナーとしてうまく関係性を築くのが理想です。

ともすれば、泥臭く地道な方法だと言えますが、今の時代においては、だからこそ効果的な方法とも言えます。

空室対策のもう1つの考え方

空室対策といえば、空いている部屋をどう埋めるかを考えることですが、もう1つ別の考え方があります。それは、そもそも空室を作らないようにする、ということです。空室対策を頑張っても、入居してすぐ退去されてしまうと、いつも空室対策に追われることになります。

長く賃貸経営を行う上で、本質的な空室対策の考えた方と言えるのは、少しでも長く住んでもらうことです。長く住んでもらうために、すぐ簡単にできる方法があるので、その方法も合わせてお伝えしておきたいと思います。

長く住んでもらうために効果的な方法

空室対策を根本から解消するためには、そもそも空室を作らないことが大切です。入居者にできるだけ長く住んでもらえるような工夫も大切になってきます。そのために大家は何をできるのかですが、簡単かつ効果的な方法があります。

それが「収納を増やす」ということです。

収納が多いことは、入居者にとって住みやすい家となり得るわけですが、ただそれだけで長く入居してもらえるわけではありません。収納を増やすことのメリットは、生活する中で住む人の物が増えること意味します。物が増えるとどうなるでしょうか?引越しするのが大変になります。そうすると、気軽に引越ししにくくなるわけです。

これは誰しも理解できることだと思います。引っ越しするとなるととても大変ですよね。いい家に住みたいと考え、魅力的な物件を見つけたとしても、引越しの面倒さを天秤にかけると、、、「引越しはお金がかかるし、面倒だしいいか」と現状維持を選択することになるわけです。

収納を増やすことに関しては、少ない費用ですぐ実施することができます。多いのは、吊り戸棚やデッドスペースに収納スペースを設ける方法です。簡単な棚を作る程度であれば、数千円〜数万円の費用で済むはずです。

収納を増やして高い稼働率を維持している不動産業者も

収納を増やして稼働率を上げるという考え方は、不動産ディロッパーも取り入れている手法です。あるマンションディペロッパーでは、この収納を増やすことのメリットを最大限に活かし、同スペックの物件と比較して多くの収納スペースを設置するようにして、高稼働率をキープしているようです。

また、都内23区の人気エリアを中心に単身向け投資マンションを展開している不動産ディベロッパー業者では、こうした収納を増やすことのメリットを活かすことで、年間の平均空室率が1%程度と、驚異的な稼働率を実現しています。都内23区の平均空室率が3%程度(※株式会社TAS「賃貸住宅市場レポート」調べ)と言われているので、いかに高い稼働率をキープできているかがわかりますよね。

大家が知っておくべき空室対策まとめ

空室対策は、一時凌ぎの対策を行うよりも、理由を正しく把握して、根本原因に対して改善していくことが効果的です。その上で、そもそも空室を作らないという視点ももち、収納を増やすなどの工夫を行いながら高稼働率を維持できるように努めましょう。

賃貸経営は考え方、やり方次第で空室リスクをなくすこともできるようになります。頻繁に空室が出て悩む大家を横目に、空室リスクと無縁の賃貸経営を目指してみてはいかがでしょうか。そのための第一歩として、今すぐできる対策もご紹介しました。ぜひ参考にしてみてください。