【基本中の基本】不動産投資で本当に見るべきポイントを解説「利回り」イールドギャップ? 

不動産投資

不動産投資を行う上で、必ず知っておかなくてはならない考え方、用語がいくつかあります。その中の1つ、「利回り」もとても重要な言葉ですが、正しく理解することができていますでしょうか?

一口に「利回り」と言っても、使う場面によって、それは別の意味を表すことがあります。例えば不動産会社の営業マンが使う「利回り」と、投資家が使う「利回り」とでは、別の数字を表すこともあるほどです。こうした違いを正しく理解していないと、物件購入後に想定していた利回りと違うことに気がつき、後悔する可能性もあります。

そこでこの記事では、不動産投資において「利回り」とはどんな意味を表すかのか?利回りを見る時にはどこを注意してみていけばいいのか、基本中の基本を解説していきたいと思います。

投資の世界で使われる「利回り」とは?

投資に馴染みのある方であれば「利回り」という言葉を聞いて理解できるかもしれませんが、これまで投資に触れたことがない人であれば、言葉の意味を正確に知らないかもしれません。

利回りは、英語だと「Return on Investment」と言います。日本語に訳すと「投資に対するリターン」となります。投資の世界では頭文字をとって「ROI」と呼ばれます。投資額に対して、どの程度のリターン(見返り)があるのかを表す投資指標です。

投資家はこの指標を見て投資するか・しないかを判断する重要な指標といえます。不動産における利回りは、不動産物件を購入した場合、どの程度のリターンが見込めるのか?を表します。ここでいうリターンとは、主に家賃収入ですね。物件を購入することで得られるリターン、家賃収入を図るための投資指標が「利回り」となります。

不動産投資で使う「利回り」とは?

ここまでは、ざっくりと投資の世界で使われる「利回り」という言葉を解説しましたが、ここからは不動産投資で使われる「利回り」について解説していきたいと思います。

不動産投資で使われる2つの種類の利回り

不動産投資の世界では、「表面利回り」と「実質利回り」の2つの種類の利回りが存在します。

1:表面利回り
表面利回りとは、投資に対して、そこにかかった経費を考慮しない利回りのことを言います。単純な家賃収入だけを見る考え方なので、言い換えれば表面利回りは「売上」を指す言葉とも言えます。

2:実質利回り
実質利回りは、投資に対してかかった経費を考慮した利回りのことを言います。売上から経費を差し引いた考え方なので、実質利回りから「利益」を見ることができます。

例えば、

  • 物件価格:3000万円
  • 年間家賃収入:200万円

この場合の利回りは、表面利回りだと「6.7%」となります。

ただし不動産運営には、管理費や修繕費、修繕積立費、固定資産税などがかかります。この経費が年間で50万かかったとします。

この場合、家賃収入の200万円から50万円をひいた150万円で計算することになりますので、実質利回りは「5%」となります。

不動産会社や営業マンのいう「利回り」は「表面利回り」

物件を販売している不動産会社や、その会社の営業マンが口にする利回りは、ほとんどの場合「表面利回り」です。少しでも投資対効果をよく見せようと、経費を考慮せずに、利回りを計算して勧めてくるわけです。

表面利回りだけをみると魅力的に感じる物件でも、管理費や修繕費が高いことがわかり、実質利回りを計算してみると、全然利回りの高い物件ではないことがわかります。

つまり、不動産物件を購入するときは、不動産会社や営業マンの言う表面利回りではなく、実質利回りを正しく算出して判断する必要があると言うことです。実質利回りは自分で正しく算出できるようになっておき、営業マンの言葉だけを鵜呑みにせず、冷静に判断できるようになりましょう。

利回りよりも大切な「イールドギャップ」と言う指標

ここまで利回りについては、表面利回りではなく、実質利回りを見て判断することの大切さをお話ししました。ちなみにここ数年の参考数値としてお伝えしておくと、人気の高い都内の新築ワンルーマンションであれば、表面利回り3~4%程度、中古マンションだと5~6%台の利回りが一般的な相場だと言えます。

ただし、ここ最近では不動産価格が上昇傾向にあります。それゆえに利回りは低下している傾向にあるとも言えます。こうした動きを見て、今は買い時ではないという投資家もいたりします。そんな中で注目しておくべきことは、物件価格は高騰していても、金利も低下していると言うことです。融資の金利が下がっていることから、価格は高騰していても、トータル的にみると最終の収支はさほど変化がないと言えるのが今の現状です。

不動産価格が上がっているという理由だけでは、今は買い控える時とは言えません。金利も含めて、最終的に収支にどう影響があるかを広く見ていく必要があります。

重要な指標「イールドギャップ」

「利回り」から「調達金利」を差し引いた利率を「イールドギャップ」と呼び、この指標こそが不動産投資において重視すべき指標だと言えます。例えば不動産価格が高くなったとしても、金利が下がればキャッシュフローの悪化にはならないからです。

目の前の物件価格だけでなく、金利がどうなのか、最終的なキャッシュフロー、返済はどのようになりそうなのかを見て判断する必要があります。

「利回り」のまとめ

この記事では、不動産投資には2つの種類の利回りがあることを解説しました。合わせて、どの指標をどのように見ていくべきかもお伝えしてきましたが、物件購入の際には必ず「実質利回り」を見ながら判断するようにしましょう。

物件が高くなることで、今は買い時ではないと言う投資家がいる一方で、イールドギャップを考慮しながら物件を買い続ける人もいます。実際、お付き合いのある不動産会社から見せていただいた収支表を見ても「以前と比べても特に悪化しているわけではないな」と感じることが多くありました。

繰り返しますが、利回りで大事なのは、経費を差し引いた利益「実質利回り」を見ることです。ワンルームマンション、新築、中古に限らず、実質利回りを出して判断することが重要ですので、ぜひ参考にしてみてください。